風に恋したキミと
帰り道。
部活終わりに桐島に声を掛けたら「いいよ」と言ってもらえて一緒に帰れることになった。
いつものようにスピード着替えして、「お先に失礼しまーす!」と言って校門にダッシュした。
「やった!今日は先に来れたっ!」
と一人で喜んでいると、後ろから速歩きをしながら歩いてくる桐島が見えて一気に半減した。
今日こそ待ってたように装って、“遅い、早くしろ”っていつもの桐島みたいに言ってみたかったのに。
「よくあんなダンダン足音立てて走れるな」
「だって!もう桐島来てるかと思ったんだもん」
だと思ったと言って、思いだし笑いをしている桐島。
桐島がわたしのところに来ると、桐島の歩幅に合わせてわたしも歩き出した。