風に恋したキミと
「ねー!桐島、明日走るのドキドキするね。わたしアンカー走るの今でも信じらんないよ。
最後の最後でコケちゃったらどうしよー!」
「ありえるかもな」
桐島にそう言われると、現実になってもおかしくない気がしてきた。
前見ながら真顔で言ってるし。
ここは優しく「大丈夫だよ。最後まで走りきれる」って言ってくれたらいいのに。
「もーう!酷い!!ちょっと否定してよ!」
バシっと桐島の肩を軽く叩くと、桐島は「お前が自分で言ったんだろ」と言い返してくる。
「でも、もしも園田先輩だったらここは絶対大丈夫って言ってくれた!」
自分でもうんうんと頷きながら、そんなこと言うの桐島だけだと思って対抗してみる。