風に恋したキミと




召集所に着くと、時間まで各自アップするように召集係の人から指示を受けて



わたしはまずエナメルバッグから血行をよくするアップクリームを取り出して足全体に塗った。



そしてさやかと一緒に体操とストレッチを入念に行って、ジョギングを15分ほど走って



100mを3本軽く流して走って体を温めたまま自分の準備を待つ。



「黒沢先輩スタートしたって。2位で今のところ走ってるって」



さやかはスマホでLINEを見ながら教えてくれる。



「2位。でも他のメンバーで抜かせば全然行けるね!」



「そうだよ!アンカーには3000mで県で1番になった莉桜がいるんだから向かうところ敵なしだよ!」



「ちょっと恥ずかしいからそんな大きな声で言わないで」



いつもの調子で言うさやかに、周りに聞かれてないか焦ってしまうわたし。



でも本当はさやかはわたしの緊張を少しでも和らげようとしてくれたの知ってるよ。




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