風に恋したキミと
部活中はとにかくいつもどおりにへらへら笑ってやり通すことでなんとか足の痛みに耐えた。
変に勘がいい桐島にも何も話しかけられることもなかったからちゃんとやりとおせたんだと思う。
家に帰っても、お母さんには伝えることもなく病院にも行かなかった。
それで病院に行って、ドクターストップになって大会に出れなくなるのは嫌だったから。
どうしても足が痛くたって出たい大会。
それはこの間の記録会で出た記録を公式にできる大きなチャンス。
足が痛くたって、足は動かせる、走れる。
それはまだわたしが走れる証拠。
「明日もう1日我慢すれば大会で走れる」
と自分を励まして、アイシングをすると眠りについたんだ。