風に恋したキミと
ほんの一瞬のできごとだったのに
いつものように無心に襷を背負って走る桐島はスポットライトを浴びたかのようにキラキラしてて
1位を独走し続けた彼はとても輝いて見えた。
走り終わった彼は息を荒くしながらも3kmだったからかまだ余裕があるように見えた。
「お疲れ~!」とみんなで桐島のところに寄って行くと、部員の1人が「橋本が言ってた区間賞は狙えそうかよ?」と聞いていた。
「さぁな。ずっと最初から最後まで誰とも競うこともなく1人で走ってただけだから分かんね」
しれっと汗を拭きながら答える桐島。
その後もこのまま行けば余裕で優勝できそうじゃない?って話をしながら、またみんなで車に乗ってゴールである競技場に向かったんだ。