風に恋したキミと
「ええ!園田先輩が言っちゃったの!?」
わたしは柊くんの持つ腕がさっきよりももっと強くなる。
園田先輩め~!誰にも言わないって言ってたのに。
しかも、もう卒業しちゃっていないし~!
「おい小川!園田先輩への怒りを俺に当てるなよ!
本当に俺、誰にも言ってねぇって!
しかもプリントまで丸まってる!」
と必死で訴えてくる柊くん。
わたしはハッとその状況に気付くと、すぐに柊くんから両手を離した。
「ごめん……痛かった?」
ゆっくり柊くんの目を覗きながら聞いてみる。
「そこまでじゃないけど……。女子にしては強いなって思った!」
わたしはその瞬間にパシっと軽く柊くんの腕を叩いた。