風に恋したキミと



「ええ!園田先輩が言っちゃったの!?」



わたしは柊くんの持つ腕がさっきよりももっと強くなる。



園田先輩め~!誰にも言わないって言ってたのに。



しかも、もう卒業しちゃっていないし~!



「おい小川!園田先輩への怒りを俺に当てるなよ!



本当に俺、誰にも言ってねぇって!



しかもプリントまで丸まってる!」



と必死で訴えてくる柊くん。



わたしはハッとその状況に気付くと、すぐに柊くんから両手を離した。



「ごめん……痛かった?」



ゆっくり柊くんの目を覗きながら聞いてみる。



「そこまでじゃないけど……。女子にしては強いなって思った!」



わたしはその瞬間にパシっと軽く柊くんの腕を叩いた。



< 279 / 361 >

この作品をシェア

pagetop