風に恋したキミと
佑真は最近いつもこうだ。
すぐにわたしが男子としゃべると、さっきのように思いっきり睨んで来たり
“俺以外の男子と喋るな”って言ってきたり、今みたいに怒ったりする。
わたしも最初はそんな彼がヤキモチを妬いてくれて嬉しいなって思ったりもしたけど、それはもちろん最初の方だけ。
部長になってからは他の部員よりもさっきみたいに柊くんと話すことも多くなったし、前と変わらず男子とだって話したりする。
なのに、桐島はそれを全然分かってくれない。
それもこれも全部、原因は県予選の駅伝の時からだ。
「桐島、待ってよ!」
「なんで桐島なんだよ、名前で呼べって前から言ってるだろ」
佑真はそう言うとまたどんどん歩いて行ってしまう。