風に恋したキミと



そして桐島が足を止めた先は誰もいない実習棟の階段。



「なんで柊の腕なんかわざわざ掴んで、デレデレしながら話してるわけ?



俺以外の男子と仲良く話すなって言ってんだろ、何度も何度も」



「だってそれは理由がちゃんとあって!



柊くんが佑真と付き合ってること知ってたんだもん!だから周りに広めて欲しくなくてお願いしてたの!」



わたしは佑真に分かって欲しくて、真剣に訴えるような目で言った。



本当に柊くんに恋愛感情なんてないんだってば。



「だったら何であんな楽しそうに話してんだよ。



しかもそんなこと腕掴まなくても言えることだろ?」



だめだ、これじゃあいつもの通りだ。



全然佑真に通じてない。



なんでこうやって毎回毎回怒られなきゃいけないのか全然分からない!


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