風に恋したキミと



だから、言いたいことは一言であの色紙に託したからもう……



もっと話せば良かったなんてくよくよしない。



見開きになっている色紙の一番最後のはじっこにわたしはこう書いたの。



“わたしたちが果たせなかった都大路出場。



今度はきっと佑真が箱根駅伝で走って。



箱根出たら会いに行くからねっ!”



佑真とはもう会えなくなるかもしれないけど、



それでも誰よりも一番わたしが応援してるーー。




わたしは佑真から振り返ることなく一歩ずつ去って行ったんだ。



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