風に恋したキミと
13*さよならの先に
「どうしよう莉桜~!栄養学の講義がっつり寝ちゃったよ!」
「知ってる!隣でぐっすりだったよ~!仕方ないからノート貸してあげる」
高校を卒業して、わたしと桐島は新しい場所でそれぞれ歩き始めた。
わたしはスポーツトレーナーの夢を叶えるために
そして桐島はわたしが託したことでもある、箱根駅伝に出場するために。
でも卒業してからお互いに連絡を取り合うことは一度もなかった。
何度か連絡してみようかな?って思ったりもしたけど、元彼女からの連絡ってどうなんだろうと頭の中でいろいろ考えこんでしまったら
時間が過ぎていくたびにどんどん遠ざかってしまった。
それに高校とは違った時間のリズムで、アルバイトもしてとなると毎日毎日、今の生活に慣れるので精一杯で自分のことでいっぱいだった。
でも、いつだか風の噂を聞いたんだ。