風に恋したキミと
桐島は結局10位でゴールをした。
学校の中では誰よりも速く一番だ。
「桐島、お疲れさま」
走り終わって疲れているにも関わらず、ゴールの近くから離れないままメンバーたちのゴールをずっとずっと待っている姿が一瞬映っていた。
そんな凛々しい彼の表情を見て、わたしは今度は両手を合わせてテレビから一緒にみんなが早くゴールをするように何度も願った。
お願い、お願い!
桐島の学校のみんな頑張って!
制限時間の1時間20分の間に続々といろんな学校の選手たちがゴールしてきて残り9人を全員確認できなかったけど
わたしは結果発表で呼ばれることを信じて待ち続けた。