風に恋したキミと
タイムの集計が終わると、今年も1位から順に通過校の学校名が呼ばれ始めた。
わたしの両手からは手汗が出るくらい、本当に緊張している。
テレビからは呼ばれた学校のメンバーたちが喜びの声が聞こえてくる。
はやく桐島の大学の名前を呼んで。
「お願い…」
『続いて、8位●●大学』
『去年惜しくも予選で敗退した●●大学は8位!今年は大健闘です!おめでとうございます!』
結果発表をする連盟の偉い方の発表の後すぐに、テレビの実況の人の言葉でようやくホッとすることができた。
「……っ、ぐすっ」
やった、やったね桐島。
1年半かかってやっとあの時の約束守ってくれたね。
わたしは涙で視界がぼやけながらも、テレビの中でメンバーたちと一緒に笑顔で喜んでる桐島の姿を違う学校に切り替わるまで見つめていた。