風に恋したキミと



「莉桜大丈夫?緊張してる?」



わたしの表情を覗きこみながら心配してくるさやか。



「大丈夫だよ!ちょっと緊張するけど、それはいつもだから」



あんまり緊張してないように振る舞ってるけど、本当は自分の種目が近づくたびに緊張感は増す。



周りの声援。選手達の走ってる姿。



それにスターターがスタートを合図する雷管の音。



「そうには見えないし……顏引きつってるよ?笑顔笑顔!



いつも通り走れば、大会のメンバーにも選ばれるって」



ねっ?と言いながら、わたしの給水ボトルとタオルを持ってくれた。



二人で歩きながら、種目の終わった先輩たちやストレッチやジョグをしている同学年の部員達から「頑張れよ!」「頑張ってね!」とエールをもらいながら私達は召集場所を目指した。



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