風に恋したキミと
日が暮れて来て、部活の終わる少し前の時間になると、徐々にみんなは用具を片付け始めた。
そして、外周を走っていた長距離のみんなも戻って来て、わたしと園田先輩は「お疲れ様です!」と声を掛けていた。
そして園田先輩は桐島を見つけて「佑真お疲れ!」と声を掛けていたので
わたしもそのノリに乗って、「桐島お疲れ!」と言ってみた。
だけど、桐島はわたしだけでなく仲の良い園田先輩に言われたにも関わらず、返したのは
「あぁ……」
と言いながら、こっちに目線も向けずに去って行った。
「……桐島?」
と無意識に出たわたしの言葉。
園田先輩は「おい、佑真どうしたんだよー!」と言いながら、桐島に詰め寄っていて
わたしは足を止めたまま園田先輩に任せるしかなかった。