風に恋したキミと
翌日。
「小川、これ見終わったからみんなに返しといてくれ」
と先生に言われて、渡されたものはみんなが朝練の時に提出した部活ノート。
「分かりました!」
いつもだったら、ちょっと面倒くさいって気持ちも出て来ちゃうけれど
今日はこの部活ノートのおかげで桐島と喋れるきっかけができるから少しテンションも上がった。
1人1人に配っていると、それを見兼ねたさやかがわたしに「少し手伝おうか?」と言ってくれたけど
お願いしたノートの中に桐島のノートが入ってると思うと、それだけは絶対に阻止したくて
「大丈夫!グラウンド行けば男子もみんないると思うから。
ありがとね」
とノートを持ち直しながらそう言った。