【BL】キュート王子とクール王子とバレンタイン【短編】
あー...思わず頭を抱えて大後悔。
こうなるだろうなってのは予想してたのにやってしまった。
先輩が泣くと...周りからの視線が痛いからなぁ......
まず泣き止ませねば...
わざわざしゃがみ 先輩と目線を合わせる。
「先輩の話聞きますからいい加減泣き止んでくだs...」
「藍ちゃん...もしかして焦ってる?いつも見分けられるのに 今の僕の嘘泣きだよ?」
ケロッとした顔で殺意がわいてくるようなことをほざいた先輩。
しかしこれは普段なら難なく見分けられるのに見分けられなかった俺が悪い...のか?
いちいち先輩の行動に目くじらを立てていてはキリがないと自分に言い聞かせる。
いささか疑問だが先輩が機嫌を直したので話を進めることにした。
「で、チューリップはどうしたんですか?」
「買ったんだよ~」
「...花屋で......ですよね?」
「もちろんっ!」
「なぜ?」
「...藍ちゃんにあげるため」
「俺に?」
「うん」
段々と俯きがちになり ボソボソと答える先輩。
なんだか俺が先輩を責めているようで 罪悪感が出てくる。
別にそんなつもりは全くないのだが。