【BL】キュート王子とクール王子とバレンタイン【短編】
「藍ちゃ―――ん!!!おはようっ!」
朝からものすごい勢いでタックルをしかけてきたのは 俺の先輩。
なぜか俺が高校に入学してからの恒例行事的なものだ。
「先輩 今日もうるさいです。どこか俺がいない宇宙の彼方にでも行ってください」
一応先輩だから気を使うものの 俺が毒を吐くのもこの先輩のみだ。
なにせ俺にはこの先輩に毒を吐く権利はある...はずだ!
ちなみにこの先輩―姫野 雅―はこの男子校で『姫』と呼ばれている存在。
女顔で体も細っこく身長も低い。
150㎝はあるのだろうか?
他人事ながらも先輩の将来が心配になるほど。
そんな「守ってあげたい!」と思わせる先輩にはファンクラブもありまして...
入学早々 先輩と仲がいいとみられ ファンクラブメンバーからも目をつけられてしまった俺。
それに俺の目つきが悪いのも相まって この高校では先輩以外俺に話しかけてはこない。
なんてこったい。
俺の楽しい(予定だった)高校ライフ返しやがれ!
...というわけで俺には先輩に毒を吐く権利があるっていうことだよ!