ごみくずの愛
ごみくず
私はごみくず
…
生まれて18年間。
モテなかったわけでもない。
彼氏が居なかったわけでもない。
だけど私は誰かを愛した事も無く、
気づけば毎日男を
取っ替え引っ替え寝ていた。
本当に好きになってくれる男とは
寝ずに、自ら2番目の女に。
わかっていた。
こんな事はなんの意味もない。
その寂しさを埋めるかのように
次から次へと違う男。
「さっちゃん、今日空いてる?ご飯でも…」
「わーい!連れてってくださーい!」
社会人になり、
作り込んだナチュラルメイク。
薄く塗ったチークで微笑むと
馬鹿な男はイチコロだ。
"ああ…こいつも馬鹿男か…"
私の笑顔に引っかかるのは大抵馬鹿男。
そんな男を引っかける私も馬鹿女。
ごみくずだ。
そんな私の前に現れたからす。
そう、今思うとあの人はからすだ。
こんな汚い私を気にもせず可愛がった。