あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
入学してからまだ1週間ほどしか立っていないにも関わらず、騒がしい教室
そのガヤガヤとした教室のドアを開ければ、史花はすぐに友達のところへ行く
そして俺は、いつも通り、親友の遠藤 正裕(えんどう まさひろ)のところへと歩いた
正裕は俺と史花とは違う、作楽(さくら)シニアという硬式野球チームに入っていて、リトル時代に正裕のいるチームと試合をして以来、ずっと仲がいい
「おはよ」
そう正裕に言うと
「おはよ。ってかお前今日も山内さんとかよ」
とお決まりのセリフが帰ってくる
「しょうがねーだろ。幼馴染なんだからよ」
俺はそう言って、正裕の前の席に座った
「お前は絶対にそれだけじゃない」
「なんだよそれだけじゃないって…
あ、でもあいつ危なっかしいからな」
俺がそう言うと、正裕は はあ とため息をついて
「お前が気づいてねーならそれでいいけどさ〜」
と言った
「あ、そういえばよ。さっきあそこの男どもがお前の幼馴染のことを可愛いってたぞ
モッテモテだね〜史花ちゃん」
「・・・まあ、俺の好きなやつだし」
そう言うと、正裕はびっくりした顔で俺を見た
「え…?今なんと?」
「あれ、言ってなかったっけ?」
「いや気づいてたけどよ!お前自覚してたの?!」