あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
「まあな」
「いつから?」
「んー…気づいたのは小4の頃だったけど、好きになったのはもっと前だろうな」
俺がそう言うと正裕は立ち上がり
「3年間も黙ったまんま?!」
と大声で言った
騒いでいた周りは静まり、史花が不思議そうな顔で俺たちを見る
「ごめん!なんでもないから!」
俺はそう言って正裕を睨んだ
「おいなに大声だしてんだよ」
「いやだって、は?! ほとんど毎日のように一緒にいるくせにまだなんも言ってねーの?!」
確かに、まだなにも言ってない
近いから、毎日のように一緒にいるから何度もチャンスがある
みんなそう思うかもしれない
けど…
「近すぎるから言えないこともあんだよ」
俺はそう言って前を向いた
「近すぎる…ねぇ」
正裕はそう言って俺の肩をポンッと叩くと まあ頑張れ と言った
キーンコーンカーンコーン
チャイムがなり、みんなが席に座る
「さあ朝の会始めるよ〜」
担任の花岡先生がそう言うと学級委員が号令をかけた