あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~

俺がそう聞くと、史花は


「うん。まあ…」


と言って、俺から目をそらした


さっきからずっと、こうやってこの話だけは避けようとする


言いにくいこと?


それとも、俺に聞かれたくない内容なのか…?


「・・・そっか」


俺はそう言って席から立ち、1時間目の数学の準備をしに自分のロッカーへと歩いた


ロッカーの中を整理しながら、マイナスなことばかり考えてしまう自分を責める


男女ってだけで、例え幼馴染だとしても言えないことくらいたくさんあるし、隠し事をしてはいけないとは決めていない


またこんなんで史花に当たったりしたら、喧嘩になる


気まずくなりたくないのに、これじゃそうなっちまう…


「なにやってんだ俺…」


おでこに手を当てながらそう言う


「啓…?」


史花の声がして、とっさに後ろを振り向く


「ど、どうした?」


俺がそう聞くと、史花は んー… と言って俺のおでこに手を当て、自分のおでこと温度を比べた

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