あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~

「はいはい」


俺はそう言って手を離し、史花の頭をいつものように軽く叩く


「いたい…また啓のせいで背が縮んだ…」


「だからそんな強くしてねーって」


笑いながらそう言うと、史花はムスーっとした顔で「私の成長の天敵…」と言った


そんな史花が可愛くて、ついつい頭を撫でてしまう


「ごめんごめん」


「・・・許す」


周りから見たら、この行為はどう見えてるんだろう


幼馴染の同級生…いや、恋人のように見えるだろうか


それとも、兄妹に見えるのだろうか



キーンコーンカーンコーン



チャイムがなり、史花はあわてて自分の席へと帰って行った


俺も席に座り、いつも少し遅れてくる数学の先生を待つ


「・・・お前分かりやすい」


後ろの正裕がそう言った


「というと?」


「自覚してるんだって分かった状態で見ると、お前結構好き好きアピールしてんのな」


「・・・は?」


一瞬、言われたことの意味がわからなかった


俺は隠してるつもりだし、史花にも伝わってないはずだし…

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