あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
後ろで永岡や史花よりも大きな1年生が、下を向いて、少しキツそうに走っているにもかかわらず、2人は前を向いて、呼吸を乱さず走っている
身体の大きさなんか関係ない
2人からそう言われているような気がした
俺も負けられねーな…
そう思いながら俺もまっすぐ前を向いて走った
ランニングが終わると、次はストレッチ
「ストレッチか…」
ストレッチは正直言ってキツイ
キツイと言っても、身体的にではなく精神的にキツイ
いつも史花とするため、お互いの身体が密着して、好きな人相手だからか少し変な感情を持ってしまう
史花は一生懸命なのにそんなことを思ってしまう自分が嫌で、いつも自分の頭を叩きながら心の中で馬鹿野郎と何度も復唱して理性を保つ
今日もいつも通り、馬鹿野郎と復唱しながらストレッチを終え、守備練習に入った
俺が担当するセカンドは、瞬時に判断できる判断能力が必要とされるポジション
体のバランスや肩の強さなどが一定以上あることが求められる上に、このポジションは毎日頭を使う