あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
だから、いつもあっという間に時間が立ってしまう
どのくらい時間がたったんだろう
いつの間にか空は暗くなり、グラウンドはライトによって照らされていた
「ハァハァ…ッ…」
「っ…もう一本!」
サードから翔さんの声がして、それに続いてみんなが「もう一本!」という
ニヤリと笑う監督が「最後だ!」と言って各ポジションにノックを打つ
「今日は終わりだ!片付けをして並べ!」
「終わった…」
そう言ってバタリと倒れる俺に、セカンドのレギュラーである3年生の橘 優(たちばな ゆう)先輩は笑いながら
「こんなんで倒れてちゃ、俺からレギュラーなんて取れないよ?
ま、1軍にも上がれてないやつに言うセリフじゃないか」
と言った
嫌味にも聞こえるセリフ
でもこれは、優さんなりの励まし方
「確かに優さんにはまだ追いつけてないっすけど、まだ1軍に上がれる可能性はありますから!俺、絶対に諦めません!」
俺がそう言うと、優さんは笑ったまま
「追いつかれるつもりはないけどね」
と言って片付けにはいった