あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
挑戦あるのみ
史花side
初めて啓を 怖い と思った
ギュッと強く握られた手が痛くて、無言でなにも言わない啓なんて初めてで
一体なにがあってそうなったのか、啓に聞いても教えてもらえず、もう土曜日
今日は1日練習のため、1人でグラウンドまでいき、まだ人のいないそこでバットを振る
「あ、山内さん」
ブンッ ブンッ とバットを振っている私を呼ぶ声がする
「永岡くん!おはよ!」
「おはよ。あれ、山内さん1人?桜庭は?」
「きょ、今日は早めに来たくて…」
本当は少し啓といるのが気まずいだけだけど…
「あ、そっか。今日先輩たちと試合だもんな」
そう。今日は 1年 対 2.3年 の試合
この試合で1軍にあげる人を決めるらしい
今確実に決まっているメンバーは9人
残り9人はこの試合で決まる
「絶対、1軍行こうな」
「うん。頑張ろうね」
「よし。俺もバット振ろうかな」
そう言って永岡くんは私の横でバットを振り始めた