あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
打席から帰ってきた啓は、悔しそうな顔をしながら、端っこに座っている私から1番遠いところに座った
そして、3番も三球三振で抑えられ、あっという間にスリーアウトチェンジ
マウンドにはすでに福井くんが立っていた
「・・・福井ってさ、俺ブルペンで見たことないけど、どこでやってるの?」
私の隣に座っている永岡くんにそう聞かれる
「福井くんとか、その他の人たちはもう一つあるブルペンの方で練習してるの」
「へ〜。そういえば下原もいねーもんな」
「うん。下原くんももう一つの方にいるから」
私がそう言ったあとだった
カキーン!!
といい音がしたあと、ボールがセンター方向に落ちた
「いきなり2ベースヒット…」
私がそう言うと
「あんな高めの甘い玉、打たれて当然だ」
と永岡くんの横に座っている門ちゃんが言った
「福井はあんま立ち上がりよくねーし、いくらレギュラーじゃないといっても相手は2.3年。
あそこは慎重にボールから入るべきだよ」
早く試合に出たい様子の門ちゃんは、下原くんのリードにいちゃもんをつける