あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
練習場所は閑田シニア専用のグラウンド
カキーンッ !
パンッ !
そこからはもう私の大好きな音しか聞こえない
「おりゃー!!」
少しダミ声も聞こえてくるけれど…
私と啓はそのままグラウンドに入り、持っていたエナメルを1年生の荷物が置いてあるところへ置いた
「こんにちは!」
「ちわっす!」
順番にそう言うと、さっきのダミ声の主である 3年生の 大林 剛 (おおばやし ごう)先輩 がこっちを睨みつけた
と言っても、本人は睨んでるっていう気は全くなくて、ただたんに元から目つきが悪いだけ
リトルの頃から知ってる私と啓はそれを知ってるから別に怖くも何ともない
「山内桜庭ぁぁ!練習付き合え!!」
それでもあの見た目でこの喋り方だから、シニアに入ったばかりの1年生は剛先輩にビビりまくり
「剛先輩!もうすぐ集合ですよ!」
私が剛先輩にそう言うと、剛先輩は「じゃあいらん!」と言ってまたバットを降り始めた
もうすぐ始まるから、そろそろ辞めた方がいいんじゃないかって意味だったんだけど…
「全然伝わってない、か…」