あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
「・・・なにが?」
永岡くんがそう言うと、福井くんは
「先輩たちと試合して、勝てるわけない…」
といって、下を向いた
すると、周りの1年生もみんな「俺もそう思う…」「俺も…」と順番に言い初め、
「こんなのしたって意味ねーよ…」
「自信なくすだけだしな」
「どうせ俺たち1年は1軍に上がれるわけねーし…」
と弱音を吐く
「なに「1軍に上がれないなんて、誰も決めてない」
私が なにいってんの! と言おうとすると、永岡くんがそれを遮って言った
「俺は、1年生だから諦めるなんてそんなことしたくない」
「でも、7点差もつけられたらもう俺たちなんか…」
「負ける試合なんてしたくないか?」
永岡くんはそう言って、福井くんをじっと見た
「強いから、先輩だから、7点差だからって、俺たちが絶対負けるなんて確証はないじゃねーか
中学の野球は7回まである。まだあと6回も残ってんだ。
確証のない理由で未来を決めつけて諦めるなんて、そんなもったいねーこと俺は絶対にしたくない!」
そう言った永岡くんの顔はすごく一生懸命で
そして、あの時のさみしそうな表情をしていた
7点差
それはとっても大きい
それでも
「・・・諦めたら終わり。
でも、諦めなければそこはいつ、どんな時であろうとスタートになってくれる」
ふと思い出した、お父さんがよくいう言葉を言う