あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
そう言ってお父さんは素振りの真似をした
ときどき思う
お父さんは大人なのに、いつも子供と同じ目線で物事をいう
性格が子供っぽいのか
それとも、人の気持ちを考えるのが上手なのか
どっちなんだろうってたまに考えるけど、そんなのどっちでもいいや
私は、そんなお父さんが大好きなんだ
「はいはい」
反省ノートの下に " 諦めない!"と大きく書く
そして、
「いや…これはこうかな」
と言いながら素振りをしているお父さんに
「もう寝るからお休み〜」
と言ってベットに入る
するとお父さんは「おやすみ」というと、そのまま部屋を出た
諦めない
そう決めても、心に残る
" 男子に勝てなくなる日がいつかくる "
というお父さんの言葉
「明日から素振りとランニング増やそうかな…」
私はそう言って、重くなったまぶたを閉じた
ーー翌朝
いつもの河原の道を走っていると、永岡くんらしき人物が座っていた
「おはよう!」
私はそう言って永岡くんに声をかけた
「・・・」
でも、永岡くんからは何も帰ってこない
・・・気づいてないのかな?
そう思い、次は肩をポンポンと叩きながら「おはよう」と言った