あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
「寝てないのかな…?」
こんな一瞬で寝ちゃうなんて、そんなに眠かったんだ…
それにしても、整った顔してるな〜
・・・少し見てても、気づかれないよね?
そう思いながら、永岡くんを見る
ほっぺツルツルだし、ニキビなんてまったくない
なんか使ってるのかな?
「ごめん…な、さい…」
突然永岡くんが言った
「ごめんなさい………ごめんなさい…」
涙を流しながら何度も ごめんなさい を連呼する永岡くんに驚きながら、私は持っていたタオルでその涙を拭い、さっきと変わらない真っ赤な顔をした永岡くんの額を触った
熱い…
熱がある
「どうしよう…」
連れて帰ろうにも永岡くんの家は分からないし、私、永岡くんをおんぶ出来るかな…?
頭を肩からあげて永岡くんの腕を自分の肩にかける
そして、永岡くんの太ももを手にかけ持ちあげようと踏ん張ってみたものの、結局持ち上がらず、その場に座り込んだ
すると、永岡くんは目を覚まし
「ん…俺、寝てた…?」
と私に聞いた
「あ!永岡くん起きた!大丈夫?立てる?歩ける?家まで送るから家の場所を教えて!」