あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~

キッチンへ行き、パンをひよこの形に切ったものを4枚用意し、中に ハムとチーズ を入れ、マヨネーズをかける


オーブンで3分ほど焼いてからそれを出し、中にレタスを入れる


たったこれだけの作業なのに、千夏ちゃんの前にそれを持って行くと、キラキラとした目で「いただきます」と言って食べ始めた


「おいしーい!」


目をキラキラとさせたまま千夏ちゃんがそう言う


「喜んでもらえて嬉しいです!」


「千夏これなら毎日食べれます!」


「本当?あ、千夏ちゃんマヨネーズがついてる」


そう言って千夏ちゃんの頬についているマヨネーズを拭き取ると、千夏ちゃんは「ありがとう!」と言ってまた食べ始めた


「あ、そうだ!
千夏ちゃん、体温計ってどこにあるか知ってる?」


「ピピッてなるやつのことですか?」


「うん。多分それだとおもう」


「あそこのカゴの中に入ってます!」


「ありがとう」


千夏ちゃんから教えてもらった場所にいくと、そこにはきちんと体温計がしまってあった


黙々とサンドイッチを食べている千夏ちゃんに声をかけて、氷水とタオルと体温計を手に、永岡くんが寝ている寝室まで行き、コンコンとノックをして中に入った


「失礼しま〜す…」


寝ている永岡くんを起こさないようにそっと入り、永岡くんのおでこに手をおいて自分のおでこと比べる


上がってる…


冷たいタオルを絞り、そっと永岡くんのおでこに乗せると、永岡くんの目が少し開いた


「あ、ごめん…起こしちゃっ…ひゃ!」


グイッと引っ張っられ、永岡くんの上に乗せられる


ドキッ…


あ…まただ


また、胸が少し苦しい


永岡くんの力は思ったよりも近くて、男の子だなと感じさせられる


「な、永岡くん…?」


「・・・人の肌が、病気になると妙に恋しくなって、さ…。

ってなに言ってんだろ俺…。

ごめん…今日は、やっぱり帰ったほうがいいよ…熱で頭ぼーっとしてるし、山内さんのためだからさ…」

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