あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
「千夏この生姜入れたんです!」
千夏ちゃんはそう言って永岡くんが食べているお粥を指した
「へ〜すごいな!」
永岡くんはそう笑顔で答えると、千夏ちゃんの頭を優しく撫でる
そんな2人を微笑ましく思いながら、時計に目を移す
時間はすでに6時30分
もうそろそろ帰らないとお母さんに怒られてしまう
ソワソワしていると、永岡くんが突然
「今日はありがとう。これ以上いたら親御さんに怒られるだろ?」
と言った
「・・・うん。ごめん。今日は帰るね」
「うん。あ、送ってくよ?」
「ダメダメ!私1人で帰れるから!」
「・・・そうか?
じゃあ、襲われないように気をつけろよ?車にも気をつけて。あ、あと、山内さんよく転ぶから前方注意な!」
「私そんなにドジじゃな「注意な」
言葉を遮られる
私は仕方なく「はーい…」と返事をした
「じゃあ、千夏ちゃんバイバイ!」
「・・・」
ブスーとしている千夏ちゃんにもう一度 バイバイ? というと、千夏ちゃんは静かに バイバイ と言った