あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
家に帰ってお父さんの試合をお母さんと見る
" 打ったー!!山内、本日2本目のホームラン!"
「よしっ!!いいぞ和也ー!」
テレビに本気で叫ぶお母さん
そんなお母さんと一緒に、私もテレビの中にいるお父さんにエールを送った
試合はお父さんのホームランもあって見事勝利
叫んで痛くなった喉を潤すために、お茶を入れてお母さんに持っていく
「はい。お茶」
「ありがとう」
「いえいえ」
近くにあった椅子に座り、お母さんと一緒にお茶を飲む
「そういえばさ。お母さんって、男としてお父さんと同じ野球部に入ったんでしょ?」
「ブッ!! なんでそれを史が?!」
「お父さんが教えてくれた」
「和也の野郎…帰ったら説教だな」
そう言ってお母さんは握りこぶしを作った
「お父さん言ってたよ。お母さんは全然男になんか劣ってなかった。むしろ上だったって」
私がそう言うと、お母さんは少し黙ったあと、こう言った
「上だった…ね。
母さんは逆に、いつもいつも力の差を見せつけられてたよ。特に和也には」