あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
永岡くんには、笑っていて欲しい
マウンドで見せるような笑顔で笑っていて欲しい
「それが好きってことでしょう?」
「え…」
「だって、なにも思ってない人に対してする行動じゃないよ。史花がしてることや、言ってることは」
「そうなのかな…?」
「うん」
私は、永岡くんのことが好きなのかな?
胸がドキッとして苦しくなるのも
気になっちゃうのも
全部、好きだから…?
「・・・よくわかんない」
「そっか…
そういえば、今日は自主練して行くの?」
「ううん。一旦帰ってからする」
「ほんと!じゃあさ、ちょっと私の話聞いてくれる?
「うん!」
そのあと、なっちゃんから部活であった面白い出来事などを聞きながら帰った
「は〜楽しかった!じゃあ、またね!」
「うん。また明日!」
なっちゃんと別れ、家につくとすぐ制服を脱ぎ、動きやすい格好に着替える
そして、庭でストレッチを始めた
そのあとはランニングをして、いつもの橋の下で投げ込みと素振りをする
「ふ〜…」
一通り終わると、体は汗でびっしょりと濡れていた
「気持ち悪いな…」
早く帰って、お風呂に入りたい
そんな気持ちが自分を急かす
荷物をもって道路の方へ上がり、帰り道を歩こうとした
そんな時だった
プップー!!!
そう音がして、なにかが私にぶつかった
痛い
すごく痛い
もうろうとする意識の中で、人の声が聞こえる
でももう、それに答える気力はなく、私は意識を手放した