あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~

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「いけー!!史花!!」


啓が後ろでそう言ってる


私はいつの間にか身長が伸びていて、ほどよく筋肉がついていた


そんな自分の背番号は " 1 "


ボードをみれば、4番のところに山内と書いてある


7回裏 2アウトランナーなし


6 対 5 で勝っている


あと、アウト1つで全国制覇という場面


額から汗が流れ、肩が上がるほど息はきれている


「山内!飛ばして来い!」


翔さんがそう言った


そして、「山内さん!!」とベンチで私の名前を呼ぶ永岡くんが見える


目の前には門ちゃんがいて、私が振りかぶって投げると


パァーンッッ!!


と門ちゃんのミットから乾いた音がなった


私の大好きな音が球場に鳴り響き、ゲームセットが知らされる


喜ぶ自分とみんな


そんな、幸せな時間





薄く目を開ける


目の前に映るのは見覚えのない白い天井


さっきのは夢だったのだろうか


シャーと音がしてカーテンが開く


すると、入ってきたお母さんが「史花?!」と私の名前を呼んだ


「お…かあ…さん…」


途切れ途切れにそう言うと、お母さんは「お医者さんを呼んでくる!」と言って走って行ってしまった


「史?!」


お父さんも入ってきて、私はお母さんと同じようにお父さんを呼んだ


「良かった…」


お父さんはそう言って私を見た


「ここは…?」

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