僕と三課と冷徹な天使
おかえり
三課に戻ると、すぐにコオさんが
「おかえりー」
と言ってくれた。
機嫌は良くもなく悪くもない感じで
ほっとする。
「ただいま・・・」
会社で初めて言う言葉なので照れる僕。
「あ、これ松井課長からいただきました。
皆さんでどうぞって」
コオさんに高級菓子を渡す。
コオさんはにやっと笑って
「ありがとう。
じゃ3時に食べよう」
と菓子をデスクに置いた。
「で、なんのヘルプだったの?」
コオさんが気にしてくれて
ちょっとうれしい。
「発注数を間違えた備品を
ひたすら運んできました」
僕は苦笑いしながら言う。
「力仕事かあ~
あそこ女子ばっかりだもんね。
うちも普通の男子は一人だけど」
と言って笑った。
「じゃあ明日は筋肉痛だね」
「はい。もうすでに腕の感覚がおかしいです」
僕は自分の腕をさすりながら言った。
「ちょっと貸してみ」
僕の左腕を掴んでコオさんは言った。
そして、僕の腕を
手のひらが上になるように持って
肘の辺りを親指で押した。
「ここ、筋肉痛のツボ」
コオさんは僕の左腕を
自分のもののように
簡単に扱っている。
揉まれている左腕は、意思がなく
なすがままになっていた。
コオさんの膝に
左腕の手の甲が触れる。
・・・これ、僕の腕だよなあ。
顔が熱くなってきた。
心臓もはやく動き始める。
どうしたらいいかわからず、
僕の腕をつかむ
コオさんの手を見ていると
だんだん感覚が戻ってきた。
「い・・・いたい、痛いです」
コオさんはかまわずグリグリとツボを押した。
「ちゃんとほぐしたほうがいいよ~」
全然僕の言うことを聞いてくれない。
「・・・っすみません、勘弁してください」
たまらずコオさんの手を僕の腕からはがす。
「もうちょっとなのに~
じゃあ反対」
と言って右腕を掴んでツボを押し始める。
やっぱり痛い。
・・・でもうれしい。
あまりの痛さに泣きそうになりながらも
僕は普通の男子でよかったなあと思った。
「おかえりー」
と言ってくれた。
機嫌は良くもなく悪くもない感じで
ほっとする。
「ただいま・・・」
会社で初めて言う言葉なので照れる僕。
「あ、これ松井課長からいただきました。
皆さんでどうぞって」
コオさんに高級菓子を渡す。
コオさんはにやっと笑って
「ありがとう。
じゃ3時に食べよう」
と菓子をデスクに置いた。
「で、なんのヘルプだったの?」
コオさんが気にしてくれて
ちょっとうれしい。
「発注数を間違えた備品を
ひたすら運んできました」
僕は苦笑いしながら言う。
「力仕事かあ~
あそこ女子ばっかりだもんね。
うちも普通の男子は一人だけど」
と言って笑った。
「じゃあ明日は筋肉痛だね」
「はい。もうすでに腕の感覚がおかしいです」
僕は自分の腕をさすりながら言った。
「ちょっと貸してみ」
僕の左腕を掴んでコオさんは言った。
そして、僕の腕を
手のひらが上になるように持って
肘の辺りを親指で押した。
「ここ、筋肉痛のツボ」
コオさんは僕の左腕を
自分のもののように
簡単に扱っている。
揉まれている左腕は、意思がなく
なすがままになっていた。
コオさんの膝に
左腕の手の甲が触れる。
・・・これ、僕の腕だよなあ。
顔が熱くなってきた。
心臓もはやく動き始める。
どうしたらいいかわからず、
僕の腕をつかむ
コオさんの手を見ていると
だんだん感覚が戻ってきた。
「い・・・いたい、痛いです」
コオさんはかまわずグリグリとツボを押した。
「ちゃんとほぐしたほうがいいよ~」
全然僕の言うことを聞いてくれない。
「・・・っすみません、勘弁してください」
たまらずコオさんの手を僕の腕からはがす。
「もうちょっとなのに~
じゃあ反対」
と言って右腕を掴んでツボを押し始める。
やっぱり痛い。
・・・でもうれしい。
あまりの痛さに泣きそうになりながらも
僕は普通の男子でよかったなあと思った。