僕と三課と冷徹な天使
倉庫
その日は珍しく
午前中に部長がやってきた。
コオさんの席に来て言う。
「コオ、そろそろ倉庫の片付け
何とかならないかな」
コオさんと僕はそろって
吉田さんを見る。
吉田さんは目が合ったのに
知らないふりをしている。
「わかりました。
今日中に何とかします。」
コオさんは吉田さんを睨んで
部長に言った。
倉庫の片付けは
コオさんと吉田さんで段取りがついていて
あとはその通りに配置するだけだった。
だからコオさんは吉田さんに
任せてしまっていた。
「しかたない。
よっしー倉庫行くよ」
吉田さんは急に咳をしはじめて
「コオ、俺ちょっと風邪気味なんだ」
と言った。
コオさんは能面のような顔で
「わかった。灰田、行こう」
と言った。
僕はすぐに立ち上がった。
倉庫の中に入ったコオさんは
「あの時から何も変わっていない・・・」
場面が違えば
ちょっと素敵な言葉を言った。
「しかたねーやるかー」
やけくそ気味にコオさんが言って
ジャケットを脱いだ。
僕は持ってきた軍手を渡して
何でもやります、という顔でコオさんを見た。
コオさんはふっと笑って
「ここの箱の中身を棚にしまって、
空いた箱をつぶしてくれる?」
と言った。
「はい」
やっと笑顔が見れて嬉しい僕は
従順に答えた。
昼休みのチャイムは倉庫の中で聞いた。
コオさんは疲れた顔で
「ご飯行こっか」
と言った。
いつになく暗いムードのランチタイムだったが、
僕には思っていることがあった。
倉庫の片付けをテキパキとできるコオさんは、
なぜ自分の部屋を片付けられないのだろう。
午前中だけであんなに片付けられたのだから、
部屋の片付けも毎週末やれば、
すぐキレイになりそうだけど・・・
言いたいけど、言えるわけがなかった。
疲れているコオさんをチラリと見る。
少し考えて僕は言った。
「倉庫の片付け、今日中に終わりますかね・・・」
「うーん、多分終わると思うんだけどね・・・
午後は他のみんなにもやらせようかな。
どうせさぼってるんだし」
「・・・あの・・・僕・・・
コオさんの部屋の片付けも
今日みたいに手伝います。」
・・・言ってしまった。
うまいこと会話で
誘導しようと思っていたのだが、
全然無理だった。
遠回りをしようとしたのに
すぐ目的地に着いてしまって
自分でも驚いた。
ちょっとびっくりしたコオさんは
すぐに笑って
「ぜひお願いします」
と言った。
僕もほっとして笑って
「はい」
と言った。
カーブと間違って
剛速球を投げてしまったが
受け取ってもらえて
うれしかった。
午前中に部長がやってきた。
コオさんの席に来て言う。
「コオ、そろそろ倉庫の片付け
何とかならないかな」
コオさんと僕はそろって
吉田さんを見る。
吉田さんは目が合ったのに
知らないふりをしている。
「わかりました。
今日中に何とかします。」
コオさんは吉田さんを睨んで
部長に言った。
倉庫の片付けは
コオさんと吉田さんで段取りがついていて
あとはその通りに配置するだけだった。
だからコオさんは吉田さんに
任せてしまっていた。
「しかたない。
よっしー倉庫行くよ」
吉田さんは急に咳をしはじめて
「コオ、俺ちょっと風邪気味なんだ」
と言った。
コオさんは能面のような顔で
「わかった。灰田、行こう」
と言った。
僕はすぐに立ち上がった。
倉庫の中に入ったコオさんは
「あの時から何も変わっていない・・・」
場面が違えば
ちょっと素敵な言葉を言った。
「しかたねーやるかー」
やけくそ気味にコオさんが言って
ジャケットを脱いだ。
僕は持ってきた軍手を渡して
何でもやります、という顔でコオさんを見た。
コオさんはふっと笑って
「ここの箱の中身を棚にしまって、
空いた箱をつぶしてくれる?」
と言った。
「はい」
やっと笑顔が見れて嬉しい僕は
従順に答えた。
昼休みのチャイムは倉庫の中で聞いた。
コオさんは疲れた顔で
「ご飯行こっか」
と言った。
いつになく暗いムードのランチタイムだったが、
僕には思っていることがあった。
倉庫の片付けをテキパキとできるコオさんは、
なぜ自分の部屋を片付けられないのだろう。
午前中だけであんなに片付けられたのだから、
部屋の片付けも毎週末やれば、
すぐキレイになりそうだけど・・・
言いたいけど、言えるわけがなかった。
疲れているコオさんをチラリと見る。
少し考えて僕は言った。
「倉庫の片付け、今日中に終わりますかね・・・」
「うーん、多分終わると思うんだけどね・・・
午後は他のみんなにもやらせようかな。
どうせさぼってるんだし」
「・・・あの・・・僕・・・
コオさんの部屋の片付けも
今日みたいに手伝います。」
・・・言ってしまった。
うまいこと会話で
誘導しようと思っていたのだが、
全然無理だった。
遠回りをしようとしたのに
すぐ目的地に着いてしまって
自分でも驚いた。
ちょっとびっくりしたコオさんは
すぐに笑って
「ぜひお願いします」
と言った。
僕もほっとして笑って
「はい」
と言った。
カーブと間違って
剛速球を投げてしまったが
受け取ってもらえて
うれしかった。