僕と三課と冷徹な天使
部長と
不思議な光景だった。
僕と部長と、なぜか
松井課長で居酒屋にいた。
部長もコオさんと同じで
部下を置いて帰れないタイプなのかな。
しかし、妙に緊張する。
何を話したらいいか全然わからない・・・
でも新歓で泥酔したことを思い
ちびちび舐めるようにビールを飲む僕だった。
「いや、しかし、灰田君には助かっているよ。
あの三課に配属されたのに、
拗ねもせず素直に仕事をしてくれて」
とってつけたように部長が褒めてくれる。
どうも部長の言葉は素直に受け取れない僕。
「本当にそうですよね。
あの三課でどうなるかと思っていたら
大活躍ですもんね」
松井課長ものってくれている。
素直にうれしい。明日からもがんばろう。
思わず笑顔になる僕。
「ほんとになあ、あの三課でな・・・」
部長がかみ締めるように言う。
あ、もしかして、
本当に喜んでいくれている?
なんかすみません、
実はヤキモチ焼いてばかりなんですけど、
と心の中で申し訳ない気持ちになる。
「どうなることかと思いましたもんね、去年は」
と松井課長も続ける。
・・・あ、そうか。
この人たちは
一年前のコオさんを知っているんだ。
ボロボロになったとき、
坂崎さんに支えられていたとき、
もとのコオさんに復活したとき、
そして別れちゃったとき。
全部僕が見たことのないコオさん。
何となく心の中でぽつん、としてしまう。
「ごめん。灰田君は去年のこと知らないよね」
僕に気を使ってくれる松井課長。
「あ、でも少し聞いてます。
宮崎部長がいなくなってから
大変だったって」
松井課長には素直に答える僕。
「でも、コオなら大丈夫だと思っていたんだ。
入社当時は可愛いだけの子だと思ったけど
三課に来て、すぐに芯の強さは発揮していたから」
部長が言う。
あー、部長は更に前のコオさんを
知っているんですよね。
はいはい、うらやましいです。
ヤキモチを通り越して拗ね始める。
「へえ、一年目は
ただの可愛い子だと思っていました。」
あ、松井課長もコオさんのこと
可愛いと思っているんだ。
まあ可愛いもんなあ。
しかたないよね。
「うん。あーこれ適当にやっといて~なんて言い方で
仕事を渡すと、すごく怒るんだよ。
それじゃわかりません!ってさあ。
あーでも、かわいいもんだったなあ・・・」
部長が遠い目で言う。
なんかわかる。
今のコオさんだったら、
ハア?わかりませんけど?とか言いそう。
「でも部屋汚いんですよね、コオちゃん」
松井課長がぽつりと言う。
部長と僕、固まる。
「・・・松井君、部屋に行ったことあるんだ。
あー、君ら仲良しで
よく飲みに行ってたもんね・・・」
部長がちょっとさみしそうに言う。
意外なダークホース、松井課長。
ちょっと見る目を変える必要があるな・・・
「はい。泥酔して危なかったんで、
送ったことが何度か」
松井課長はしれっと言う。
意外とやり手かもしれない・・・この人・・・
しかし、お酒のせいか、
僕も負けていられない気持ちになる。
汚部屋のことなら尚更だ。
「コオさんの部屋は一緒に掃除して、
今は少し綺麗になりました」
僕は静かに爆弾を投げてみた。
部長と松井課長は一瞬僕を見たようだった。
今は、そ知らぬ顔をして飲んでいる。
僕は心の中でにやりと笑った。
僕と部長と、なぜか
松井課長で居酒屋にいた。
部長もコオさんと同じで
部下を置いて帰れないタイプなのかな。
しかし、妙に緊張する。
何を話したらいいか全然わからない・・・
でも新歓で泥酔したことを思い
ちびちび舐めるようにビールを飲む僕だった。
「いや、しかし、灰田君には助かっているよ。
あの三課に配属されたのに、
拗ねもせず素直に仕事をしてくれて」
とってつけたように部長が褒めてくれる。
どうも部長の言葉は素直に受け取れない僕。
「本当にそうですよね。
あの三課でどうなるかと思っていたら
大活躍ですもんね」
松井課長ものってくれている。
素直にうれしい。明日からもがんばろう。
思わず笑顔になる僕。
「ほんとになあ、あの三課でな・・・」
部長がかみ締めるように言う。
あ、もしかして、
本当に喜んでいくれている?
なんかすみません、
実はヤキモチ焼いてばかりなんですけど、
と心の中で申し訳ない気持ちになる。
「どうなることかと思いましたもんね、去年は」
と松井課長も続ける。
・・・あ、そうか。
この人たちは
一年前のコオさんを知っているんだ。
ボロボロになったとき、
坂崎さんに支えられていたとき、
もとのコオさんに復活したとき、
そして別れちゃったとき。
全部僕が見たことのないコオさん。
何となく心の中でぽつん、としてしまう。
「ごめん。灰田君は去年のこと知らないよね」
僕に気を使ってくれる松井課長。
「あ、でも少し聞いてます。
宮崎部長がいなくなってから
大変だったって」
松井課長には素直に答える僕。
「でも、コオなら大丈夫だと思っていたんだ。
入社当時は可愛いだけの子だと思ったけど
三課に来て、すぐに芯の強さは発揮していたから」
部長が言う。
あー、部長は更に前のコオさんを
知っているんですよね。
はいはい、うらやましいです。
ヤキモチを通り越して拗ね始める。
「へえ、一年目は
ただの可愛い子だと思っていました。」
あ、松井課長もコオさんのこと
可愛いと思っているんだ。
まあ可愛いもんなあ。
しかたないよね。
「うん。あーこれ適当にやっといて~なんて言い方で
仕事を渡すと、すごく怒るんだよ。
それじゃわかりません!ってさあ。
あーでも、かわいいもんだったなあ・・・」
部長が遠い目で言う。
なんかわかる。
今のコオさんだったら、
ハア?わかりませんけど?とか言いそう。
「でも部屋汚いんですよね、コオちゃん」
松井課長がぽつりと言う。
部長と僕、固まる。
「・・・松井君、部屋に行ったことあるんだ。
あー、君ら仲良しで
よく飲みに行ってたもんね・・・」
部長がちょっとさみしそうに言う。
意外なダークホース、松井課長。
ちょっと見る目を変える必要があるな・・・
「はい。泥酔して危なかったんで、
送ったことが何度か」
松井課長はしれっと言う。
意外とやり手かもしれない・・・この人・・・
しかし、お酒のせいか、
僕も負けていられない気持ちになる。
汚部屋のことなら尚更だ。
「コオさんの部屋は一緒に掃除して、
今は少し綺麗になりました」
僕は静かに爆弾を投げてみた。
部長と松井課長は一瞬僕を見たようだった。
今は、そ知らぬ顔をして飲んでいる。
僕は心の中でにやりと笑った。