空芽
俺はきっと
モテる、に
入ってると思う。
いや、絶対。
ナルシスト、かも
しんないけど
「あの……零センパイ、」
これで、
自覚しない方が
難しい。
「ん……誰?」
木の下の日陰に
座ってるだけで
次々と客が来る。
「あ、の……!
由香センパイと別れたって
本当、ですか?」
少し噛みながら、
唐突な質問を。
「……本当だよ?
どうして?」
悪魔でも、
女の子には笑顔で。
「いや……ただ、
本当かなって……。」
一年、だよな。
零センパイって
言ってたし。
だったら
こっちも唐突に。
「………ふーん、
気になんの?」
「えっ!
あ………はい。」
「随分と素直だね。」
そう言いながら
少し微笑めば
その子は
また少し顔を赤くする。
こういうの、好き。
「私……好きなんです。」
うん、知ってる。
…………でも、ね。
「好き、って?」
俺は日陰に
居るからいいけど
暑くないのかな、
顔なんか、真っ赤。