空芽



「零センパイが
好きなんです!

だからもし今、彼女サン
居ないなら………」





最初の勢いから
段々と小さくなる。





「居ないなら?」





ここまで来ても
まだ彼女をいじめる。




案外、
楽しいな、って。






「私と……
付き合って下さい。」





今日二度目、かな。











「ん……
とりあえず、
こっち。」





その子の腕を
引っ張って
俺の横の日陰、に。






「え、あの……」



「日向じゃ、
暑いっしょ?」



「あ、はい。
ありがとう……
ございます。」






……少し、
拍子抜けしたかな。





でも俺、そんな
薄情じゃない。







「で………俺と、
付き合いたいんだっけ?」



ちゃーんと
話しに戻ったり。





「はい!零センパイさえ
よければ、ですけど。」





この子だってきっと、
知らないわけない。




知らない、なんて
言わせない。







「君は、
俺を知ってる?」




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