鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「ほれ」
「うぇ!?」
ピタリとほっぺたに冷たいものが当たって、思わずヘンな声が出てしまう。
ほっぺたに当てられたものは、冷たいお茶のペットボトルだった。
「やるよ」
「ありがと」
ペットボトルを受け取って、蓋を開けると口を付けた。
冷たいお茶が、喉を潤してくれる。
あっという間にペットボトルの半分がなくなってしまった。
おいしかったぁ。
喉渇いてたもん。
ありがと、絖覇!
「りん・・・・・・」
「ん? なぁに?
あ、あたしはもう元気だよ。
って、さっきも言ったか」
首を傾げると、絖覇のチャラい表情はあのキュッとした真剣な顔になる。
絖覇・・・・・・?