鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 その温もりが、胸に染み渡っていく。


 あたし、心配させちゃったんだね。


 みんなを助けたくて、心配掛けたくなかったのに、結局かけちゃってる。


 ダメだなぁ、あたし。


 ゴメンね。


 心がキュン・・・・・・と切なくなって涙が、滲んできてしまった。



「──りん?」



 あたしは無意識のうちに絖覇の胸に体重を預けていた。


 ゴメン、絖覇。


「──しばらく、こうしてていい?」


 ギュッと彼の身体に腕を回してただ、その温もりにしがみつくようにしていた。



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