鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~



 もう、何なの?



 記憶を消しちゃってから、絖覇は何だか元気がないみたい。


 ・・・・・・もしかしてあたし、なんかヘマした!?



 絖覇・・・・・・。




「どうしたの? りん」



「へ?」



「俺の顔、覗き込んで。



 なんかついてる?」



 うそ、あたし絖覇の顔見てた?



 慌てて顔を反らすけど、顔に熱が集まっていた。




 心配になって、覗き込んでただけ。



 うん、そう。



 自分に言い聞かせる。



 それから無言が続いて、気付けば家についていた。



 

「じゃあね、絖覇」



「おう!」



 ニカッといつものスマイルを向ける。



 お、よかった。



 いつもの絖覇だ。



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