鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 しばらくぐったりとしていた曾爾も、時間をおけば自由に動けるくらいに回復していた



 とりあえず、大丈夫だね。



「曾於の方へ!」



 あたしたち三人は、曾於の方へと向かう。


 それより前に、不老不死の力を使った曾爾が軽く地面を蹴っただけで翼が生えたようにフワリと空へ舞い上がって・・・・・・そのまま魔物へと斬りかかる。


「はぁっ!」 



──ザンッッ!



 青の髪が揺れ、次の瞬間一体の魔物は浄化されていた。


 曾爾のあの日本刀は魔物を浄化させる力があるみたい。


 お母さんの鈴のように。


 そして曾爾は地面に降り立つなり、次の魔物へと向かっていく。


 全くムダのない洗練された動き。


 滑らかで、まるで舞を踊るようにキレイで思わず見とれてしまう。



「りんりん! 後ろ!」



「っ・・・・・・!」



──バチバチ!


 ぎりぎりのスピードで、あたしが作り出した霊力のバリアに阻まれ魔物の腕は地面へとめりこむ。



「ボーッとしてちゃ、ダメだよ」



「ゴメン、ナト! ありがとっ!」


 ナトにお礼を言いつつ、振り向きざまにバリアを解除するとあたしは霊力で作り上げた雷を魔物へ向かって放った。



< 130 / 445 >

この作品をシェア

pagetop