鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「ダッセェなぁ・・・・・・」
そう言って、あたしを見下ろしクスリと笑う絖覇。
あ、悪魔!
この野郎ー!
涙の浮かぶ目で、そんな絖覇を睨みつける。
でも、身体が痛みで動かないから、睨みつけるしか出来ない。
そんなあたしを絖覇は嘲笑う。
もー、バカ!
そのあと、あたしはナトに助けてもらってなんとか、起き上がることができた。
そして、もう一度座布団に座り直したとき。
スラリと流れるように障子が横に動いて、曾爾と曾於が数人の女房を従え、座敷に入ってきた。
女房たちは、その手に何かを持っている。
たくさんの書物と、巻物?
その見た目から、凄く年期の入ったとても古いものだということが分かる。
彼女たちは書物を座った曾爾たちの傍らに置くと、廊下の奥へと消えて行った。