鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「そーだね~・・・・・・たぶん150年くらいかな?」



 細い指を白い顎にあて、サラリと言ってのける曾爾。


 150年!?


 でも、不老不死だし当然なのかも。


 ん?


 もしかして・・・・・・。



「曾爾たちって、もう何百歳だったりする!?」



「えー、まっさかぁ!


 まだ私たちは10歳だよぉ」



 ふにゃりと笑うと、曾爾はパタパタと顔の前で手を振って抗議した。



 だよね。


 なんか、安心・・・・・・。



 そのとき、フワリとわずかな違和感が脳裏を過ぎった。


 違和感・・・・・・。


 なんだろ、このモヤモヤしたもの。



「──ねぇ、曾爾。



 一つ、聞いてもいい?」



「なぁに?」




 こちらを向いた彼女は、優しく微笑んだ。









「その番人たちって、今どこにいるの?」







「え? どういうこと?」



 曾爾は、ポカンと口を開けてしまった。


 曾爾だけではない。

  

 絖覇もナトも、曾於もだ。



 でも、何かがおかしい。




「だって、番人はみんな不老不死なんだよね?



 それで、何代にも渡ってムギを護ってきたって曾爾言ってた。


 でも、不老不死ならそんなに代が代わらなくても、ムギを護っていけるハズなのに・・・・・・」



「っ!! そういうことか!」



 絖覇には、わかったらしい。



 
「んーと、他の番人の人たちなら、いないよ。


 たぶん私たち以外の不老不死っていったら・・・・・・魔物くらいだと思うし」



 曾爾は首を可愛らしく傾げた。


 さっきあたしが言ったことは、理解出来ていないらしい。



 そして、今の曾爾の言葉で確信した。


 矛盾点が一つ、存在することに。





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