鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
その言葉に、全員の緊張が高まる。
曾爾は、静かな口調で書物の文章を紡ぎはじめた。
「私たちの一代前の番人、紅葉姫と芳昭の番人たちは約150年、伝説の鈴を守った。
そして、それから数年後──
謎の消失・・・・・・」
消失・・・・・・?
つまり、いなくなったの?
しかも・・・・・・謎のって・・・・・・。
疑問がさらに脳内を支配していく。
曾爾の手が、カタカタと震えはじめる。
曾爾・・・・・・?
「しかも・・・・・・紅葉姫と芳昭様だけじゃない。
他の──つまり、全ての番人たちが必ず、いなくなってる・・・・・・!」
頭の先から、つま先まで、電流が流れた気がした。