鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「──ねぇ」
「どうした? りん」
曾爾たちをぼぅっ・・・・・・と見つめながら、言葉が口からこぼれた。
絖覇が一瞬こちらを向く。
「これって・・・・・・真実なんだよね?」
「・・・・・・ああ。
今の段階では、完全にそうとは言いきれないが・・・・・・」
「この話・・・・・・ムギなら、知ってるかもしれない」
「ッッ! そうか・・・・・・!」
絖覇がマゼンタの瞳を大きく開いた。
「なるほど・・・・・・わかった、そういうことね!
ムギなら、全ての番人たちと会ったことがあるはず!
それなら、なにか知ってるかもしれない」
ナトが嬉しそうに言うと、双子は灰色の瞳を見開いた。
そう。
ムギなら・・・・・・何か知っているはず・・・・・・!
けれど、双子はまた表情を暗くしてしまう。
「でも・・・・・・ムギから聞いたこともないよ、そんなこと・・・・・・」
不安で仕方ないような顔で、双子はお互いを抱きしめている。
あたしはそんな双子を、優しく──抱きしめた。
「りん姉ちゃん・・・・・・?」
「大丈夫よ。
一度ムギにきちんと聞いてみよう。
──必ず、守るから。
あなたたちを、絶対に・・・・・・!」
「・・・・・・うん!うんっ・・・・・・!」
大きく頭を上下させると、双子はあたしに抱き着いた。
大きな灰色の瞳からボロボロとクリスタルのような涙を溢れさせながら。
それを見て、あたしは強く思った。