鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「ねぇ、ムギ・・・・・・」
ムギの顔をを見ると、わずかに顔が引き攣った気がした。
ムギ・・・・・・?
けれどそれは一瞬で、すぐにその顔は真剣な顔つきに変わる。
「私も、いろいろ調べてみるわ。
りんたちは、曾爾たちのこと・・・・・・私の代わりに、お願いしてもいい?」
「もちろん! 任せて!」
ムギを安心させるように、慌てて笑顔を歪みそうになる顔に貼付けた。
今ので、わかってしまった。
ムギは、あたしたちに何かを隠していることを。
けれど、それがなんなのか、今のあたしには知ることは出来ない。