鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




「──はい! 出来たよ~」


 
「おお、冷し中華。 上手く出来たな」



「えへへ」


 褒められて、照れながら頭を掻いてみる。


 ただ麺を茹でて、玉子とかキュウリとかハムとか切っただけなんだけどな・・・・・・。


 それでも、素直に褒められると嬉しい。


 冷し中華の他にも、サラダと簡単なスープもつける。


 麦茶を青い硝子のコップに注いで、簡単な夕食が出来上がった。


 それぞれ席につくと、手を合わせた。



「「いただきます」」



 ズルズルと麺を啜ると、少し塩辛いような醤油味が、乾いた口の中に広がった。


 美味しい、我ながらいい感じに出来たな。


 わずかに心が踊った。



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